CompTIA A+220-1101 part6 CPU

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CPU

CPUはプロセッサとも呼ばれ、
コンピュータでプログラムを実行する中心のユニットです。

命令のフェッチ、デコード、実行など、
いくつかのタスクを実行します。

プロセッサはこれらのタスクを実行するために、
システムのメモリやキャッシュとやり取りを行います。

 

  1. フェッチ (Fetch): これは、CPU が命令をメモリから取得するプロセスを指します。言い換えれば、次に実行すべきプログラム命令をメモリから取り出す行為です。
  2. デコード (Decode): フェッチした命令を解読し、CPUが何をするべきかを特定するステップです。この段階で、CPUは取得した命令を理解し、適切なアクションや操作を識別します。
  3. 実行 (Execute): デコードされた命令に基づいて、CPUが実際の操作やタスクを行うステップです。例えば、数値を加算する、データをメモリの特定の位置に保存するなどの具体的なアクションを実行します。

 

CPUアーキテクチャ

X86 (IA-32)

X86という名前は、Intelが1970年代と1980年代に製造した8086シリーズのマイクロプロセッサから来ています。

IA-32はIntel Architecture 32-bitの略で、32ビットのデータとアドレスバスを持つCPUアーキテクチャを指します。
これにより、同時に扱うことができる情報の量やメモリアドレス空間が限定されます。

X86アーキテクチャは、後継のプロセッサでも以前の命令セットをサポートするように設計されているため、高い互換性を持っています。
これは、新しいプロセッサでも古いソフトウェアが動作することを意味します。

X86 (32ビット) アーキテクチャは、理論的には4GBまでのRAMしかアドレス指定できません。
これは32ビットのアドレス空間の制限によるものです。
実際のシステムでこの4GBの全てがシステムRAMとして使用されるわけではありません。一部はハードウェアリソースのために予約されます。

今日のコンピュータは、多くのタスクを同時に実行したり、より大きなデータセットを扱うことが求められているため、64ビットのアーキテクチャへと移行しています。しかし、X86はその基盤として広く受け入れられており、多くのアプリケーションやオペレーティングシステムは、X86の命令セットに基づいています。

X64

X64は、64ビットのマイクロプロセッサアーキテクチャを指します。
この名前は、32ビットの前身であるX86アーキテクチャの進化形として命名されました。

X64の最も重要な特徴の一つは、メモリのアドレッシング能力の拡張です。
X64は理論的には18.4 ミリオンTB(または16エクサバイト)までのRAMをサポートできます。

実際のところ、現代のオペレーティングシステムやハードウェアの制約により、
この限界に近づくことはまだまだ先の話ですが、これはX86の4GBの制限と比べると桁違いに大きいです。

X64のアーキテクチャは、新しい命令セットの追加や拡張、既存の命令の最適化を伴います。
これにより、高速な計算やマルチタスク、高度なアプリケーションの実行が可能になりました。

X64は、32ビットのX86アプリケーションやオペレーティングシステムと後方互換性があります。
なので64ビットシステム上で32ビットのソフトウェアを動作させることが可能です。

X64は、AMDとIntelの2つの主要なプロセッサメーカーが、64ビットアーキテクチャを提供している。
なのでAMD64やIntel 64としても知られています。

X64の導入は、マルチコアプロセッサの普及と時を同じくして行われました。
これにより各コアが64ビットの計算能力を持つことで、
高度なマルチタスクや計算集約的なアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上しました。

X64は現代のコンピューティングニーズに応えるために設計された、
高度に拡張性とパフォーマンスを持ったアーキテクチャです。

現在の主流のデスクトップ、ノートブック、サーバーなどのシステムで広く採用されています。

ARM (Advanced RISC Machines)

ARMは、低電力のマイクロプロセッサアーキテクチャのことです。
このアーキテクチャは、RISC(Reduced Instruction Set Computer)原理に基づいており、
命令セットを簡素化して効率を高めることに重点を置いています。

ARMアーキテクチャは、1980年代に英国で開発されました。

元々はデスクトップコンピュータ向けに設計されていましたが、
低電力消費と高効率が特長であるためモバイルデバイスや組み込みシステムの主流となりました。

ARMは低電力での動作に特化して設計されていて、
同じタスクを実行する際に他のアーキテクチャと比べて非常に少ないエネルギーを消費します。
これはモバイルデバイスやバッテリー駆動のデバイスにとって非常に重要です。

ARMは、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、IoTデバイスなど、多くのモバイルや組み込みデバイスで使用されています。
近年では、AppleのM1チップのように、デスクトップやラップトップPCでの使用例も増えてきました。

ARM Holdingsはプロセッサ自体を製造していません。
代わりにARMアーキテクチャのライセンスを他の企業に提供しています。
これにより多くの半導体メーカーが独自のARMベースのチップを製造しています。

ARMのRISCアーキテクチャは、命令セットが簡素化されており、それにより各命令が効率的に動作します。
命令の数が少ないため、プロセッサが高速に動作し、エネルギー効率が向上します。

ARMの低電力技術は、バッテリーライフの重要性が高まる現代のデバイス市場において、
ますます重要になってきています。
特にノートブックやデスクトップPCでの使用が増えることで、ARMの影響はさらに拡大していくと考えられます。

ARMアーキテクチャは、持続可能なエネルギー消費と高効率の実行を目指す現代のデバイス設計において、
中心的な役割を果たしています。

 

CPUソケット

マザーボードのCPUを取り付ける箇所を、CPUソケットといいます。
主にIntelとAMDがCPUを製造しており、ソケットがそれに適合する必要がある。

IntelはLGA (land grid array) を使用。
ピンはソケットにあり、プロセッサはそれらの上に適合します。

AMDはPGA (pin grid array) を使用。
ピンはプロセッサにあり、それらはソケット上の穴に適合します。

画像はコチラのサイトで見れます

 

ZIFメカニズム

IntelとAMDのソケットは共にZero Insertion Force (ZIF) メカニズムを利用しています。

ZIFは「ゼロ挿入力」とも呼ばれる技術で、電子コンポーネント(この場合、CPU)をソケットに挿入する際に、
そのコンポーネントに対して力を加えることなく挿入できるように設計されています。

CPUをプレッシャーなしで挿入できるようにして、繊細なピンの損傷を避けることができます。

CPUをソケットに乗せた後、ソケット上のレバーやハンドルを動かすことで、
ピンとソケットの接触部がしっかりと接続されます。この操作は、特別な力を加えることなく、スムーズに行われます。

 

ソケットの数

一般的なデスクトップやラップトップには、一つのソケット(LGAまたはPGAのいずれか)があります。
ワークステーションやサーバーには、複数のCPUを搭載できるマルチソケットのマザーボードがあることがあります。

画像引用 Zenn

 

モバイルデバイス

携帯電話、タブレット、多くのラップトップのプロセッサは
マザーボードにハンダ付けされておりアップグレードや交換はできません。

これらはIntel、AMD、またはARMベースのプロセッサを使用することができます。

 

ソケットデザイン

Intelのソケットは通常、LGAに続く番号(例: LGA 2011、LGA 1151)で名付けられます。

AMDは、AMに続く番号(例: AM4)で名づけられます。

 

  • LGA(Intel)とPGA(AMD)のソケットの違い
  • モバイルデバイスのCPUは通常ボードにハンダ付けされていること
  • CPUソケットの挿入は、常にZIFメカニズムを考慮に入れる

 

CPUの機能

CPUが持つ機能やテクノロジーに関する解説

マルチスレッディング (SMT または ハイパースレッディング)

マルチスレッディングは、CPUが複数のスレッドを同時に処理する能力を指します。
ここでの「スレッド」とは、プログラムの実行単位のことを指し、一つのプログラムは多数のスレッドから構成されることが多いです。

SMT (Simultaneous Multithreading) とは?

SMTは「同時マルチスレッディング」とも訳され、1つの物理的なCPUコアが
複数のスレッドを同時に実行できる技術を指します。
これにより1つのCPUコアが複数の処理を同時に行うことで、
全体としてのCPUの処理能力を向上させることができます。

ハイパースレッディングとは?

ハイパースレッディングは、インテルが開発したSMT技術のブランド名です。
この技術により、1つの物理コアが2つのスレッドを同時に処理することができます。
その結果、CPUの利用効率が向上し、アイドル時間を減少させることができます。

メリット

  1. CPUのアイドル時間の削減:複数のスレッドを同時に処理することで、1つのスレッドが待機している間も他のスレッドが処理を続けることができます。
  2. レスポンスの向上:多数の小さなタスクを高速に処理する場合、ユーザーはシステムがより迅速に応答すると感じることができます。

デメリット

  1. すべてのアプリケーションやタスクがマルチスレッディングの恩恵を受けるわけではありません。特にシングルスレッドの性能が要求されるタスクでは、効果が薄い場合があります。
  2. 適切なスケジューリングや最適化が行われていない場合、競合やリソースの問題が発生する可能性があります。

最後に、マルチスレッディング技術を効果的に利用するためには、オペレーティングシステムやアプリケーションもこれをサポートしている必要があります。

 

対称型マルチプロセッシング (SMP)

SMPは、2つ以上のプロセッサ(CPUコア)が共通のメモリとI/Oデバイスを共有して動作するシステムのことを指します。
このアーキテクチャにおいて、各プロセッサは等価であり、
いずれのプロセッサもシステム上の任意のタスクを実行する能力を持っています。
そのため「対称型」という名前がつけられています。

SMPの主な特徴

  1. 負荷分散:複数のプロセッサがあるため、システムの負荷を均等に分散して、効率的な処理が可能です。
  2. スケーラビリティ:必要に応じてプロセッサを追加することで、システムの処理能力を向上させることができます。
  3. 高可用性:1つのプロセッサが障害を起こした場合でも、他のプロセッサが動作を続けることができます。
  4. メモリの共有:すべてのプロセッサが共通のメモリを利用します。これにより、データの共有や通信が容易になります。

SMPのメリットとデメリット

メリット

  1. 性能向上:タスクを複数のプロセッサに分散することで、全体としての処理能力が向上します。
  2. 拡張性:新しいプロセッサを追加することで容易にスケールアップできます。
  3. プログラミングの容易さ:全てのプロセッサが同じメモリ空間を共有しているため、プログラミングの際の複雑さが減少します。

デメリット

  1. メモリアクセスのボトルネック:複数のプロセッサが同時にメモリにアクセスしようとすると、競合が発生し性能が低下する可能性があります。
  2. コスト:多くのプロセッサや高度な連携技術が必要な場合、システムのコストが高くなる可能性があります。

現代の多くのサーバーやデスクトップコンピュータは、マルチコアCPUを搭載しており、このSMPアーキテクチャの形態を取っています。

 

マルチコアプロセッサ

マルチコアプロセッサは、単一のCPUチップ内に2つ以上のプロセッサコアが統合されたものを指します。
これにより、1つのプロセッサが複数のタスクを同時に処理することができるようになります。
マルチコア技術の導入により、プロセッサの性能を向上させることができ、消費電力を抑えることができます。

マルチコアプロセッサの主な特徴

  1. 同時処理能力の向上:各コアが独立して動作するため、複数のタスクを同時に処理することができます。
  2. 効率的な電力消費:各コアのクロック速度や動作を調整することで、効率的に電力を消費することが可能です。
  3. 高度なキャッシュ設計:マルチコアのCPUは、高速アクセスのためのキャッシュを持つことが一般的です。このキャッシュは、プライベートキャッシュとシェアードキャッシュの両方が存在します。

マルチコアプロセッサのメリットとデメリット

メリット

  1. 性能向上:複数のコアにより、複数のタスクを同時に処理することができます。
  2. 消費電力の削減:単一コアの高クロックよりも、複数の低クロックのコアを使用することで、性能を維持しつつ電力消費を削減することができます。
  3. 高いスケーラビリティ:コア数を増やすことで性能を向上させることが容易です。

デメリット

  1. ソフトウェアの最適化:マルチコアプロセッサの利点を最大限に活かすためには、ソフトウェアがマルチスレッドやマルチコアに適切に最適化されている必要があります。
  2. 複雑な設計:複数のコアを効果的に動作させるための技術や設計が必要です。

注意点

現代の多くのアプリケーションやOSは、マルチコアプロセッサをサポートしていますが、
マルチコアの利点を最大限に活かすためには、ソフトウェアの最適化が不可欠です。

マルチコアのプロセッサであっても、
ソフトウェアがシングルスレッドで動作している場合、その性能を完全には引き出せません。

またマルチコアプロセッサは性能の向上に寄与するものの、
単純にコアの数が多いからといって必ずしも全体の性能が線形的に向上するわけではありません。
各コア間でのデータのやり取りや競合、キャッシュの共有など、さまざまな要因が性能に影響を与えるため、注意が必要です

 

 

 

 

マルチスレッディングとマルチコアの組み合わせ

2つの技術を組み合わせると、それぞれのコアが複数のスレッドを同時に扱うことができるマルチコアプロセッサが得られます。
例として、4コアのCPUがマルチスレッディングに対応していれば、このCPUは8つのスレッドを同時に扱うことができるかのように動作します(各コアが2つのスレッドを処理)。

 

この組み合わせの利点は以下の通りです

  1. 効率的なリソース使用:一部のタスクがCPUリソースを完全に使い切っていない場面で、その未使用部分を他のタスクが利用できる。
  2. レスポンス性の向上:複数の小さなタスクをより迅速に処理できるため、システム全体の応答性が向上する場合があります。
  3. 全体的なスループットの向上:特定のアプリケーションやワークロードにおいて、より多くのタスクを同時に処理できることで、全体的な性能が向上することがあります。

ただし、この組み合わせには注意点もあります

  1. オーバーヘッド:マルチスレッディングは一定のオーバーヘッドを伴うため、すべてのワークロードで性能向上が得られるわけではありません。
  2. 適切なソフトウェアの重要性:ソフトウェアやアプリケーションがマルチコアやマルチスレッディングを適切にサポートしている必要があります。そうでない場合、最大の性能を引き出せないことがあります。

要するに、マルチスレッディングとマルチコアの組み合わせは、特定のシナリオやアプリケーションにおいて、大幅な性能向上をもたらす可能性がありますが、最適な結果を得るためにはソフトウェアのサポートや適切なワークロードの選択が重要です。

 

仮想化

仮想化は、物理的なリソースを複数の仮想リソースとして見せる技術や手法を指します。
例として1つの物理的なサーバー上で、複数の仮想マシン(VM)を動作させることができます。
仮想化により、リソースをより効率的に使用したり、環境の隔離や移動が容易になるなどの利点が得られます。

仮想化の主な種類

  1. サーバー仮想化:1つの物理サーバー上で複数の仮想マシンを実行します。VMware vSphere, Microsoft Hyper-V, Oracle VM などが有名なツールです。
  2. ストレージ仮想化:物理的なストレージデバイスを抽象化して、一つ以上の仮想ストレージデバイスとして提供します。
  3. ネットワーク仮想化:物理的なネットワークリソース(スイッチ、ルーターなど)を仮想的に分割または抽象化します。
  4. デスクトップ仮想化:中央のサーバー上でOSやアプリケーションを実行し、ユーザーはリモートでこれらのデスクトップ環境にアクセスします。VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とも呼ばれます。
  5. アプリケーション仮想化:アプリケーションを実行するのに必要な環境をカプセル化し、それを異なるOSやデバイスで実行できるようにします。

仮想化のメリット

  1. リソースの最適化:複数の仮想環境を1つの物理的リソース上で実行することで、リソースの使用効率が向上します。
  2. 柔軟性:仮想マシンを簡単に移動、複製、バックアップすることができます。
  3. コスト削減:物理的なハードウェアの必要性が減少するため、コストが節約されます。
  4. 環境の隔離:各仮想マシンは他のマシンから独立しているため、1つの環境での問題が他に影響を与えることがありません。

注意点

  1. オーバーヘッド:仮想化は一定のオーバーヘッドを伴います。特に高い性能が求められるアプリケーションでは、仮想化の影響を十分に考慮する必要があります。
  2. 管理の複雑さ:多くの仮想環境を管理することは、一定の複雑さを伴います。適切なツールや戦略が必要となります。
  3. セキュリティの課題:仮想環境も物理環境同様、セキュリティの脅威にさらされる可能性があります。適切な対策が必要です。

 

 

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