このコースのセクションは、コンピュータシステムにおける冷却と電源の概念に焦点を当てています。主なポイントは以下の通りです:
冷却と電力
コンピュータは大量の熱を発生させるため(特にCPUは)、ダメージを防ぐために効果的な冷却が必要です。
三つの冷却システムが議論されています: パッシブ、アクティブ、および液体冷却。
コンピュータは直流 (DC) の3.3V, 5V, 12Vで動作します。
しかし壁のコンセントは通常、アメリカでは120V、
ヨーロッパやアジアでは230Vの交流 (AC) を提供します。
コンピュータの電源ユニット (PSU) は、このACを必要なDC電圧に変換するためのトランス、フィルター、およびレギュレーターを含んでいます。
システムの冷却
コンピュータにはさまざまなコンポーネントが含まれており、熱負荷(熱)を発生させます。
電源供給装置、プロセッサ、メモリ、拡張カードなどのコンポーネントは、
それぞれ異なる量の熱を発生します。
コンポーネントを保護するためには、熱負荷を減少させる必要があります。
受動冷却
電気的な動きや機械的な部品を使用せずに
デバイスやシステムの熱を放散させる方法を指します。
この冷却方法は自然の空気の流れや放射に依存しているため、
エネルギーを消費せず動作中に騒音を発生させないのが特長です。
以下は、受動冷却の主な要素と特徴です
- ヒートシンク: これは最も一般的な受動冷却の方法で、金属製(通常はアルミニウムや銅)のフィン状の部品です。
ヒートシンクは、熱を発生するコンポーネント上に取り付けられ、そのフィン構造を通じて熱を効果的に放散します。
大きな表面積があるため、熱は素早く周囲の空気に放出されます。 - 熱伝導: 受動冷却は、熱の自然な拡散と放射に依存しています。
コンポーネントが熱を持っていると、その熱はより冷たい部分へ自然に移動します。 - 熱ペースト: 熱ペーストや熱インターフェース材は、
ヒートシンクと熱を発生する部品の間の小さな隙間や空気の泡を埋めるために使用されます。
これにより、熱伝導率が向上し、コンポーネントからヒートシンクへの熱の伝達が効果的になります。 - 設計と配置: 受動冷却を最大限に活用するためには、
デバイスやシステムの設計と配置が重要です。
例えば熱を発生する部品を互いに適切な距離に配置することで、熱の集中を避け、均等に放散することができます。
受動冷却の利点としては動作中に騒音がなく、消費電力が少ないことが挙げられます。
しかし高い熱負荷の下では、受動冷却だけでは不十分な場合があり、
そのような場合にはアクティブ冷却(ファンなど)と組み合わせることが多いです。
アクティブ冷却
電気的な動きや機械的な部品を使用してデバイスやシステムの熱を放散させる方法を指します。
具体的には、ファンやポンプなどの動く部品を利用して、強制的に冷却効果をもたらす方法を言います。
以下は、アクティブ冷却の主な要素と特徴です
- ファン: 最も一般的なアクティブ冷却の方法です。
ファンは空気を動かすことでコンポーネントの熱を放散し、
デバイスの温度を下げるのを助けます。
コンピュータのケース内やCPU、グラフィックカード、
電源ユニットには通常ファンが搭載されています。 - 液体冷却: ヒートシンクの代わりに液体を使って熱を移動させるシステム。
特定の冷却液がポンプを使ってシステム全体を循環し、熱を取り除きます。
この方法は高性能のPCやサーバーでよく使われます。 - 熱交換器: 液体冷却システムにおいて、
冷却液が熱を受け取る部分を指します。
この熱交換器を冷やすためにファンが使用されることが多いです。 - 冷却液: 液体冷却システムで使用される特定の液体。
熱伝導性が高く、電気を伝えにくい材料が使用されます。
アクティブ冷却の利点としては、高い冷却能力があり、
高い熱負荷にも対応できることが挙げられます。
しかしファンやポンプなどの機械的部品を使用するため、
ノイズが生じることや、部品の故障リスクが伴います。
電力を消費するため、エネルギー効率の観点からは受動冷却よりも
コストがかかる場合があります。
CPUのインストール時に
- CPUをそのソケットに設置します。
- CPUの上に少量の熱ペーストを塗布します。
- ヒートシンクを取り付け、次にCPUファンを取り付けます。
- システムから熱を排出するために、ケースファンが正しく取り付けられていることを確認します。 最終的に、コンピュータは熱負荷を管理し、減少させるために、受動的(ヒートシンクと熱ペースト)およびアクティブ(ファン)冷却の組み合わせを使用します。
液体冷却
液体冷却
主にハイエンドのゲーム用PCや過度な熱を発生するデバイスで人気があります。
アクティブ冷却(ファン)や受動冷却(ヒートシンクやサーマルペースト)と比較して、
液体冷却は、少ない電力と騒音で効率的に熱を放散します。
液体冷却システムのタイプ
クローズドループシステム
クローズドループシステムは事前に組み立てられ、
密封された液体冷却システムであり、
ユーザーが液体を追加する必要はありません。
ラジエーター、ポンプ、ヒートシンク、ファンで構成されています。
主な特徴
簡単なセットアップ: 既製の製品として販売されているため、初心者でも簡単にインストールできます。
保守が少ない: システムは密封されているため、液体の補充や交換の必要はありません。
小型設計: オープンループシステムに比べてコンパクトで、限られたスペースを持つPCケースに適しています。
リスクが少ない: システムの中にある液体は密封されているため、液体漏れのリスクが低くなっています。
動作原理
液体は熱を吸収してラジエーターに運ばれ、
ファンによって冷却され再びヒートシンクに戻り、
このサイクルが繰り返されます。
クローズドループシステムは、
特定のコンポーネント(例: CPUまたはGPU)の
熱を効果的に取り除くために設計されています。
オープンループシステム
オープンループシステムは、ユーザーが自分で部品を選び、
システムを組み立てる液体冷却システムです。
このタイプのシステムは、
高度な冷却要件や特定の見た目を持つビルドに適しています。
主な特徴
カスタマイズ可能: 個々の部品を自由に選ぶことができ、特定のビルドや要件に合わせてシステムを最適化することができます。
高性能: 適切に設計・構築されたオープンループシステムは、クローズドループシステムよりも優れた冷却性能を持つことが多いです。
保守が必要: システムの液体を定期的に交換する必要があります。また、液体漏れや汚れのチェックも必要です。
高価: 高品質な部品とカスタマイズの自由度から、クローズドループシステムよりも高価になることが多いです。
動作原理
オープンループシステムでは、液体がポンプによってシステム内を循環します。
ヒートシンク(ウォーターブロック)は、
熱を発生するコンポーネント(CPU、GPUなど)に取り付けられ、液体を通じて熱を吸収します。
液体は熱をラジエーターに運び、ファンによって冷却され、
液体は再びヒートシンクに戻り、サイクルが繰り返されます。
主要なコンポーネント
ラジエーター: 液体を冷却するための部品。
ポンプ: 液体をシステム内で循環させるための部品。
リザーバー: 冷却液を保持し、液体の拡大や収縮に対応します。
ウォーターブロック: CPUやGPUなどのコンポーネントに取り付ける冷却部品。
チューブ/パイプ: 液体をシステム内で運ぶための部品。
使用環境
通常のシステムでは、コストが高く、複雑性があるため一般的に使用されていません。
アクティブ冷却(ファン)や受動冷却(ヒートシンクやサーマルペースト)が標準でした。
液体冷却は比較的新しいもので、主にハイエンドマシンに使用されています。
企業の環境では、液体冷却はまれです。
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